男子テニスの上位30名に課せられる出場義務とは?ATPツアー用語
ATPツアーと呼ばれる男子テニスでは、前年度11月上旬のランキング上位30名は出場義務選手(コミットメントプレイヤー)として、特定の大会へ出場義務が課せられます。
一部の条件を満たす選手は出場義務の免除などもある為、解説と共にまとめてありますのでご覧下さい。
出場義務 選手(コミットメントプレイヤー)とは?
出場義務 選手(コミットメントプレイヤー)は下記の大会へ出場をしなければなりません。
- グランドスラム(4大会)
全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープン - ATPマスターズ1000(8大会)
BNPパリバオープン、マイアミオープン、マドリード・オープン、BNLイタリア国際、ロジャーズ・カップ、ウエスタン&サザン・オープン、上海マスターズ、 パリ・マスターズ - ATP500 (11大会中4大会)
但し全米オープン以降に1大会は出場しなければなりません。
上記にATP1000のモンテカルロ マスターズ が含まれていませんが、この大会は例外が定められて、クラスはATP1000なのですが、ATP500の出場とみなされます。その為、モンテカルロに出場すれば、ATP500は3大会出場すれば良いと言うわけです。
ATP500シリーズの大会選択は難しい所なのかもしれません。ちなみに、錦織選手は全米オープン以降に楽天ジャパンオープンとヨーロッパの大会を出場するケースが多く見られます。
出場義務が免除される選手になるには?
過酷な男子テニスのツアーですが、下記条件のいずれかを満たすごとに、ATP1000シリーズの出場義務が軽減されていきます。
- シーズン開始の1月1日時点で通算で600試合出場
- 12大会以上出場した年から12年間試合を行う
※ATPポイントが獲得できる大会 - シーズン開始の1月1日時点で30才の選手
※2016年から31才→30才に変更
1) 600 matches* (as of 1 January of the commitment year);
2) 12 years of service (as of 1 January of the commitment year);
3) 30 years of age (as of 1 January of the commitment year).
1つ達成で、1大会免除(8大会→7大会)
2つ達成で、2大会免除(8大会→6大会)
すべて達成で、全大会免除
【補足】2010年以降はチャレンジャーやフューチャーズといった下部大会の出場は含まれません。カウントする大会のクラスは以下の通り
- ATPマスターズ1000
- ATP500
- ATP250
- ATPツアーファイナルズ
- グランドスラム
- デビスカップ
- オリンピック
出場免除の大会ポイントはどうなる?
ATPツアーのポイントシステムが関係するのですが、通常表記されるランキングはエントリーランキングと呼ばれ、52週間(約1年間)に出場した大会のうち、獲得ポイントの多い上位18大会を反映さます。
出場が仮に20大会したとしても、ポイント獲得の多い18大会を採用
出場義務を免除されていない選手が欠場した場合、0ポイントが強制的に上位18大会に含まれてしまいます。免除された選手は大会前に棄権を申し出れば、強制0ポイントが回避され、他の大会で獲得したポイントを上位18大会にあてる事が可能となります。
錦織圭は出場義務はどうなるのか?
条件に当てはめてみると、通算で600試合出場は達成し、2007年にプロデビューし、その年は12大会以上出場し12年間試合を行い、更に2019年に30才になっている為、ATP1000の大会は免除となりますが、ランキングを上げる為にも、獲得ポイントが大きい大会なので、体調や怪我のリスク・戦略的な問題で回避する可能性もあるかもしれませんが、2020年シーズンが始まり流れの中で、回避するのではと予想されます。
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